水耕栽培システムは近年、注目を集めており、今後も、さらに需要が高まると思われます。水耕栽培システムは家庭用の小さなものから大規模な植物工場まで、すべてに適しており、肥料養分をダイレクトに吸収できるため、大きな収量が得られます。今日、技術の発達と計測機器の進化により、水耕栽培システムの将来性は、さらに広がりを見せています。このような栽培方法ならば、火星探査機内で宇宙飛行士達に新鮮な食材を供給することさえ、もちろん可能にします。

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Hydroponics in short

と、ponos(働く)から由来し、文字通り「働く水」という意味です。最初の水耕栽培は古代に端を発し、バビロンの空中庭園や、メキシコアズテク族の水上菜園が、水耕栽培の要素が高い栽培法でした。当時、頻繁に起こった洪水のお陰で、一年中食物を栽培することができたのです。現代の水耕栽培法のベースができあがったのは、1859年~1865年にかけてドイツの科学者Von Sachs(フォン・ザックス)氏と、Knop(ノップ)氏によって行われた実験の後でした。彼らは、植物が生長するには特定の肥料が必要であることをつきとめたのです。

水耕栽培は1930年代、米国カリフォルニア州のGericke(ゲーリッケ)博士によって初めて開発に成功しました。これらのシステムは、第二次世界大戦中にアメリカ兵へ新鮮な野菜を供給するために活用されました。初の水耕栽培は、1970年代から80年代にかけて野菜や生花生産などの商業用農産物生産に取り入れられました。

水耕栽培とは

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Hydroponics in short

水耕栽培は土を使わずに植物を生長させる方法で、肥料は水に溶かして培養液にして与えます。培地を使用しない水耕栽培(NFT,エアロポニックス)と、培地を使用する水耕栽培(ロックウール、パーライト、ココピート、クレイペブルス、ピートモス)に区別できます。最適な肥料は、システムの種類によって違います。また、システムは、閉鎖型と開放型に分類されます。

かけ流しシステム(開放型)では、培地には常に新しい培養液が供給され、いったん培地を通過した培養液は、排出され再び循環させることはありません。再循環システム(閉鎖型)では、培養液は排水されず、再循環させて常に植物に培養液が供給されます。閉鎖式システムは、単に培地が根元を支えるだけで培養液に根を浸すシステムや、排水性のよい培地(パーライト、クレイペブルス)に最適です。

水耕栽培において、植物が必要とする肥料と養分が最適なバランスで含まれていることが非常に重要です。ガーデナーは、好みやスキルによって栽培システムを選んでいます。

水耕栽培のメリット・デメリット

  開放型システム(かけ流しシステム) 閉鎖型システム(再循環システム)
メリット 植物には、常に新鮮な肥料が常に提供されるので、培養液のメンテナンスが簡単にすむ。硬水の水道水でも使用可能(EC値0,75mS/cm以上) 培養液を排水するシステムの必要がない。適した培地であれば、根への酸素供給が豊富になる。
デメリット 肥料培養液の使用量が多くロスが出る。かけ流しのシステムが必ず必要。 培養液を再循環させる構造のため、一旦病原菌が発生するとシステム全体に広がる恐れがある。絶えずpH値とEC値を管理しなくてはならない。
肥料 CANNA SUBSTRA CANNA AQUA
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