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コンテナ栽培に適した培地

街でだれかに植物の育て方を聞いてみたら、きっとこんな答えが返ってくるはず。「プランターや植木鉢に植物を植えて、あとは水と肥料を忘れずに与える。これで大丈夫!」

植物を育てたことがある人なら、そんな単純なことではないと思うでしょう- 事前に計画を立て必要なものを準備し、正しい管理が必要です。花や野菜を育てようと決めたら、まず育てる植物、場所、栽培方法、そして一番重要な培地選び、など前もって決めておくことは、たくさんあります。植物の50%を占める根は、一生を培地のなかで過ごすので、途中で培地や栽培システムを変えてしまうと、うまく育たず失敗のもとです。だからこそ慎重に培地をえらびましょう。

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まず育てる植物を決める

まず最初に、育てる植物を選びましょう。ベストな栽培方法は、育てる植物によって変わります。根が健康に育つ条件は、植物ごとに違うからです。植物は、生息地に合わせて根を進化させてきました。砂漠地帯に生息するプラントの根は、保水力が低いクレイペブルスや軽石ではあまりよく育たず、保水力が高く水やりの回数を少なくできる有機培地で、よく育ちます。

一方で熱帯地域の植物は、排水性の高い培地で、こまめに水やりをしたほうがよく育ちます。保水性が高い培地に植えてしまっても、まったく育たないというわけではありませんが、どんなに大切に育てても排水性の高い培地ほどはよく育ちません。

シンプル イズ ベスト

植物を育てるには、畑を耕す以外にも: 再循環式などのハイドロポニック・システム、ピートモス培養土、 ココ培地、園芸用土などの有機培地を使って育てる方法があります。植物の種類と、選べる栽培方法によって栽培システムを決めてください。あなたにとってベストな栽培システムは、この2つの要素で決まります。

多機能すぎる栽培システムは、グロワーの仕事を増やし作業を複雑にするだけです。どうしても解決しなければならない問題をクリアするために、栽培システムが複雑化することがありますが、資材とコストを抑えるためにも、栽培システムはできる限りシンプルな仕組み(シンプル イズ ベスト!)にしましょう。すぐれたグロワーは、自身の能力の限界を把握してから栽培プランを立てます。植物の世話にかける時間が少ないのなら、システムのオートメーション化が必要です。ビギナーであれば、失敗しにくい培地をチョイスします。あなたにとって管理しやすい栽培方法を選びましょう。

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植物に合わせて培地を選ぶ

プラントの根は、さまざまなpH値、保肥性、保水性、通気性に適応できます。そのため、あわない環境でもプラントは育ちますが結果はよいものではありません。つまり、ただひとつのプラントの生命活動の目的 ‒ 繁殖力を左右するのです。最適なpH値から外れると、プラントが吸収できる肥料のバランスが崩れてしまいますが、外れすぎない限り花は咲きます。肥料が足りないと、プラントは元気に大きく育ちませんが、それなりに花を咲かせます。最低限の水分があれば、それなりに花を咲かせます。空気は、根が機能するためだけでなく、根の生存そのものに必要です。水はけの良さや保水性など、育てる植物の特性に向いた培地を選びましょう。

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ポット、プランターの選び方

育てたいプラントに最適な培養土を選んだら、次はプラントの草丈、培養土の種類、栽培する場所に合わせてポットやプランターを選びましょう。根が張る広さと重さは、地上部に育つプラントの草丈と重さに比例するということを覚えておいてください。例えば、1.5m以上に育つ樹木を 20ℓ以下のポットに植えてしまうと手に負えなくなります。

小さく育ててても収穫できるプラントには、小さなポットを選んでください。花が咲くのが早いので、ポットを余分に用意しておいた方がよいでしょう。

細かな砂は鉢底から流れ出てしまうので、コンテナ栽培には培養土やソイルレス・ミックスを選んだ方がよいです。一方で、砂は NFT 栽培システム用のスラブ培地に最適です。NFT 栽培システムで、圧縮しやすい培養土やソイルレス・ミックスを使うと、たくさん収穫できなくなります。言い換えれば育てたいプラントと、プラントに適した培地で、ポットやプランターのサイズを選ぶ、ということです。これらの要素で、最適な栽培システムはどれか、が決まります。

市販の培地の種類

Table 1 は、市販で入手できる培地の種類と、その特徴の一覧表です。実際に選ぶときは、培地ごとの手間のちがい、をはじめ、ここに表記されていない以下の要因も、よく確認したほうが後悔せずに安心です。

プラントを増やしやすいですか?  世話するのに必要な時間は?  使い終わった後、簡単に捨てられますか?など、どの培地を選ぶかの決め手となるポイントの一例です。事前に決めておいた方がよいことは、どのポットやプランターにすべきか、だけでなくプラントの種類や栽培方法などです。

Table 1

培地排水性根の固定力通気性適した栽培方法備考
無機園芸用土砂、赤玉土他 低ー高 非常に高い 低ー高 コンテナ、ベッド栽培かけ流し(Run-to-Waste) 多種多様な種類と特徴がある
ソイルレスミックスピートモス 低ー高 中ー高 低ー高 コンテナ、ベッド栽培かけ流し(Run-to-Waste) 酸性でpHが低い、原料の品質で保水性、通気性が異なる
ソイルレスミックスココ培地 低ー高 中ー高 低ー高 コンテナ、ベッド栽培かけ流し(Run-to-Waste) 長期熟成ココは要注意、成分調整の有無、pH安定性の高さ、ココ繊維の固さと大きさで保水性、通気性が変わる。
不活性培地パーライトバーミキュライト、他 低ー中 中ー高 NFT, ポット、ベッド栽培かけ流し(Run-to-Waste) pHが安定性, 通気性が高く、保水性が低い
不活性培地ロックウール 中 (低ーサイズによる) フラッド & ドレインコンテナ,かけ流し(Run-to-Waste) pHが高い強アルカリ性、pH値をバッファリングした後もpHが再び上昇することがある。ブロック状のものは、空気の流れを遮りやすい
砂れき、クレイペブルス わずか 再循環式ハイドロポニック・システムのポット内の培地 pH値は中性、使用前に洗浄が必要、再利用可能常時チェックが必要、水質や培養液を変質させない
なし なし なし 再循環式ハイドロポニック・システムのリザーバータンク 地域や水質で、様々なpH値、エアレーションが必須定期的に培養液のチェックが必要、劣化の影響がすぐ出る
エアロポニック なし 特殊な再循環式ハイドロポニック・システム内で水を密閉する pH値が変化しやすい、肥料と水を継続的にチェック、緩衝性がない、空気によって化学組成が変化する、根域の温度を適温に保ち続ける必要がある

Table 1 では、使いやすい順番で培地を並べてもいます。保肥性と保水性がもっとも高い培地は粘土質/砂質の無機園芸用土で、最も低いのはエアロポニックです。ロックウールは、使用前の成分調整に時間がかかるだけでなく、pHが変化しやすい培地でもあります。不活性培地は、保水性が高いですが保肥性はありません。

ココをはじめとした有機質な培地は、有機繊維のアクが排水に溶け出すので、培養液の再循環式システムには使えません。不活性培地は、肥料濃度とpH値を正確に測定し確認する必要があり、培養液のメンテナンスで多忙になります。さらに、測定機器は高価なうえ、機器そのものメンテナンスも必要であるため、ビギナーはオーガニック培地から試すことをお勧めします。まず、日当たり、水やりのタイミング、温度、湿度など栽培に必要なすべての要素をマスターしてから、その他の培地に挑戦することをお勧めします。

グロワーが選ぶポイント

ポイントをまとめると、できるだけ栽培システムをシンプルにするために管理しやすい培地と、それに合うサイズのポットやプランターをチョイスして、プラントに手間をかけた分だけ、最大限の成果を手にすることが、最大のポイントです。多くのグロワーは、まだ試してないシステムこそが、きっとベストにちがいない、と思いがちですが、シンプルな栽培方法を経験してみて、結果に納得できたら次のステップに進みましょう。実際にプラントを育てるのはグロワーであり、栽培システムではありません。手にした結果で、グロワーが自身の選択が正しかったのかを確認できます。配合比率が最適な液体肥料と、最適な環境さえあれば、どの培地を選んでも同じくらいの結果を手にすることができるので ;期待ハズレの原因は、選択のミスなのです。

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