ポッティングソイルに必要な石灰量は、平均で、1㎥あたり5.0~5.9kg(1056L)です。石灰を加えた後は、pH値が安定するまで2〜3週間寝かせます。もしも石灰が入っていなかったり、その量が十分でないと、マンガン・鉄・リン酸などの濃度が上がりすぎて、肥料焼けや過剰症状が起きやすくなります。
とくにアルミニウムイオンの濃度が上がると、植物への毒性が強くなり、根端の肥大化を起こし養分の吸収ができなくなります。ポッティングミックスのpH値が低すぎる場合は、培土10Lに対して、20gの粉状苦土 石灰(ドロマイト)を加えるとpH値が1上昇します。
ポッティングミックスの最適なpH値は5.8〜6.2の間です。培土のpH値が6.2以上では、リン酸とカルシウムが固まり、植物が吸収不可能なリン酸石灰になってしまうため、石灰を入れすぎないよう注意が必要です。
市場では、様々なクオリティーのポッティングソイル・ミックス製品が販売されています。オランダでは、RHP(オランダ商業用栽培培地品質規定協会)が、ピート培地をはじめ園芸用土類、ポッティングソイル・ミックス、ココ培地、パーライト、軽石など栽培用の有機/無機培地の品質規格を定め検査と管理を行なっています。RHP認定マークを受けた培地や培土素材は、雑草や病害菌の心配がなく清潔であることは保証されますが、収量までを保証するわけではありません。実際のところ、RHPの規格では、素材成分の正確な配合比率や、原料となった化学成分の品質や種類についてまでの規定はありません。ポッティングソイル・ミックス製品は、価格が様々です。 一般的に、フワフワとしたホワイトピートがベースのものよりも、ガーデンピートをベースにしたポッティングソイル・ミックスのほうが、価格が安めになります。さらに短繊維の細かなホワイトピートよりも、長繊維のホワイトピートのほうが、大抵の場合価格が高めになります。
ポット用培土のpH/EC値を測定する一番確実なやり方は「1:1.5分析方法」です。根域の培地のpH/EC値は、この方法で測定してみてください。培土やソイルレスミックスなどの有機質には保肥性があるため、多くの肥料成分が培土に引っかかる反面、水分など他の成分は排出されやすく、ポットの底からしみ出た排水のpH/EC値は、実際の値とは差があります。「1:1.5分析方法」を行なうタイミングは、栽培を始めてから3~5週間後がベストです。下記のステップ手順に従って、この分析を行なってみてください。
CANNAによる培地中の空気と水分のバランス比率の研究において、厳選された高品質で多孔質な原料のみを使用したソイルレス・ポッティングミックスの栽培比較テストが行なわれました。CANNA独自のポッティグミックスと、すでに市場で販売されて人気が高かった、パーライトが配合されたソイルレス・ポッティングミックスを使って栽培比較を行ないました。
苗の半分がパーライト配合タイプの培土に、残りの半分の苗は、空気を多く含んだ独自の配合培土にそれぞれ植えこまれ、別々の栽培室でテストを行ないました。温度/湿度/光量や培養液を、いずれも同じ条件にした結果、3週間後には、はっきりとした違いがでました。空気を多く含んだミックス培土のほうが、非常によく育ちました。草丈では平均で5cm大きくなり、茎がガッシリと太くなりました。夜間、葉が萎れることもほとんどありませんでした。これは光がない暗闇のなかでも根が水分をじゅうぶんに吸い上げていたことを示し、良好に生長、または開花している理想的な苗の目安です。つまりこのテストの結果から分かったことは、根に十分な空気の量を保つことができる培地が理想的であるということです。
たくさんの収穫を楽しむには、まずは自分の環境に合わせた植物選びと、発芽作業を丁寧にすることが大切です。育てたい植物の種類と季節によっては、室内/室外どちらの栽培に適しているかが変わるため、最終的にどのくらいの大きさになるか、または栽培期間の長さ・育ちやすい環境を自分の状況に合わせて選びます。植物の種類が決まったら、ステップ・バイ・ステップで下記の手順で発芽作業に入ります。