アザミウマは、平らで細長い、小さな姿をしています。成虫は4つの羽が生えています。色は、グレーから黄色、あるいは茶色までバリエーションがあります。アザミウマは、主に黄化えそウイルスの宿主であり、このウイルスが発生すると作物に大きな損害を与えるだけでなく対策がありません。

害虫の概略

アザミウマについて
アザミウマとは、一般的にアザミウマ目に属する昆虫の総称です。
アザミウマがもたらす被害
アザミウマの唾液には、植物の組織を溶かす毒性があるため、新芽や花が奇形になることがあります。
アザミウマへの対策
液体カリウムソープなど環境にやさしく駆除効果のある資材や、防虫菊エキスを含む忌避剤を、発生した場所にスプレーします。

アザミウマのライフサイクル

アザミウマはタマゴから孵化しますが、温度が高いほど早く孵化します。メスは、植物の組織に産卵します。幼虫は孵化するとすぐに周囲の植物組織を食べはじめます。この種の昆虫の特徴のひとつは、地面や地面に近い葉でサナギから成虫に脱皮することです。幼虫の段階までは葉で生息し、次の段階へ成長すると地面や地面に近い下の葉に落下したのち、繁殖可能な羽のある成虫になるまでのサナギの前段階からサナギの段階を過ごします。ほんの数週間で、すべてのライフサイクルを終えます。

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Thrips - Pests & Diseases

アザミウマがもたらす被害

アザミウマの成虫は、主に花粉などをエサとしますが、幼虫は植物組織を食べるため、植物に大きにダメージを与えるのは幼虫です。幼虫は、葉を中心に花びら、新芽、果実の細胞を吸汁します。被害初期は、フンの成分で引き起こされた黒い点とともに、色が抜けたように変色します。植物組織を溶かして吸うのに適している、クシのようにギサギザとした口を持ちます。通常は、植物組織の表面にダメージはなく、組織の中層の色が抜けて変色します。アザミウマの唾液には、組織を溶かす有害な成分が含まれているため、吸汁された新芽や花は奇形化することがあります。被害が進むと、葉はパリパリに乾いてしまいます。また、ミカンキイロアザミウマという種類は、天敵に襲われると酢酸デシルと酢酸ドデシルが含まれたフェロモンを分泌して、近くにいる仲間に警告します。

アザミウマの予防対策

アザミウマはウイルスを伝搬するため、作物にアザミウマがついていないかをよくチェックして早期に発見することがポイントです。それには粘着シートが有効です。アザミウマは青色に集まる習性があるため、アザミウマ用の粘着シートは青色です。数日ごとに粘着シートを観察して、羽の生えた成虫が付着していないかをチェックしてください。

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アザミウマの駆除

アザミウマを発見したら、適切な駆除をしてダメージを最小に抑えましょう。使える環境では、液体カリウムソープ希釈液や防虫菊の抽出エキスなど天然由来の忌避剤が利用できます。アザミウマが葉軸の下に隠れてしまうと農薬が効きづらいため、植物全体にスプレーします。また、アザミウマをエサとする昆虫病原糸状菌も駆除効果があります。白きょう病菌は、アザミウマ駆除によく使われる微生物農薬です。また、床や作業台の上の植物残渣や用土を残さないよう掃除することも大切なポイントです。

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