NFTシステム(薄膜型養液栽培)は、ハーブ、ほうれん草、葉物野菜など、根が浅く、軽量で生長の早い植物の栽培に非常に適しています。初心者から上級者まで、あらゆるレベルの栽培者にとって理想的な方法であり、家庭にグリーンを取り入れるのにも最適です。スペースが限られている方にもぴったりで、壁面栽培(バーティカルガーデン)など、利用可能な空間に合わせて自由にカスタマイズできます。このシステムは完全に自立した設計で、清潔・軽量でにおいもほとんどありません(香るのは花だけです)。重くてかさばる培養土やポットなどの栽培用資材を使う必要もありません。NFTシステムの構造はフラッド&ドレインに似ていますが、培養液がたえずリザーバーと栽培トレイの間を循環する点がちがいます。

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Hydroponics: The nutrient film technique (NFT)

 NFTシステムの構造はフラッド&ドレイン方式に似ていますが、決定的な違いは、タイマーで水を断続的に流すのではなく、栄養を含んだ培養液がリザーバーと栽培トレイの間を常時循環する点にあります。このシステムに必要なのは、酸素を供給するエアポンプと培養液を循環させるウォーターポンプ、それにエアストーン、チューブ、そして植物を植えるためのチャネル(パイプ)です。

NFTは使用する水量が少なく、高い節水効果があります。また培地を使わず、植物の根が直接チャネルの水面に沿って伸びる構造になっているため、どちらか一方のポンプが停止するだけでも、植物は急速にしおれて枯れてしまうリスクがあります。しかし一方で、根の状態を目視で確認できるため、病気などの異常を早期に発見できるというメリットもあります。

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Hydroponics: The nutrient film technique (NFT)

パーツ

  • エアストーン、エアポンプ
  • 循環ポンプ
  • リザーバー用バケツ
  • エアチューブとドリップチューブ
  • 再循環システム専用液体肥料 (CANNA AQUA)
  • 苗を固定するためのNFTチャネルや塩ビパイプ
  • ネットポットにセットした苗

設置方法

  1. リザーバーバケツの中にエアストーン、エアポンプを設置します
  2. 本のチューブでリザーバータンクとNFTパイプの間を接続します — 給水用と排水用の各チューブ
  3. 循環ポンプ揚程の口径と同じサイズの給水用チューブを循環ポンプの揚程口に接続します
  4. ポットを置くための穴をホールソーでNFTパイプに開け、水が流れるように塩ビパイプをやや傾斜をつけて置きます。
  5. ポットに苗を植えて、NFTパイプに設置します。
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Hydroponics: The nutrient film technique (NFT)

FTシステムの管理ポイント

  • 週に一度、リザーバーの培養液はすべて新しいものに交換してください。
  • 循環ポンプなどの重要なパーツは予備を用意し、定期的に動作を確認して故障や水不足によるトラブルを防ぎましょう。循環ポンプが故障して水流が止まると、植物はすぐに水切れを起こし、枯れてしまいます。
  • NFTパイプは長くしすぎないでください。短いパイプほど、始点から終点までのすべての植物に酸素と養分が均等に行き渡ります。
  • 可能であれば、底が平らなNFTチャネル、または「NFTガリー」と呼ばれるNFT専用のパイプを使用することで、培養液が植物の根に均一に行き渡りやすくなります。
  • はしごラックなどを使ってNFTチャネルを多段に設置することで、限られたスペースを有効活用しながら、より多くの植物を育てることができ、栽培面積を広げられます。
  • トマトやカボチャなど、果実が重くなる植物は、重みでチャネルがたわんで酸素不足を引き起こすことがあるため、トレリスなどに誘引して地上部を支える必要があります。
  • 伸びた根が排水口をつまらせないように、定期的に確認してください。
  • 植物は生長段階ごとに必要とする肥料の比率が異なります。CANNA Aquaのシンプルな管理方法に従えば、幼苗期・生長期・開花期ごとに最適な栄養管理が可能です。
  • リザーバータンクの水温は16〜20℃の間に保つようにしましょう。これより高くなると水中の酸素濃度が低下し始め、これより低くなると植物が秋や冬だとかんちがいして、開花したり種をつけてしまう可能性があります。
  • 根の病気を早期に発見するためにも、培養液のpH値の急激な変化を見逃さないよう注意してください。ハイドロポニック栽培では、ほとんどの植物に適したpHはやや酸性の5.8〜6.2です。
  • 光は重要です—1日あたり少なくとも6時間、できれば12~16時間の光(グロウライトか太陽)が植物に当たるように管理してください。
  • グロウライトを使用する場合は、植物に近づけすぎないよう適切な距離を保ってください。—  最寄りのハイドロポニック・ストア でアドバイスを受けることもできます。また、最適な光の強さや時間は、植物の種類や生長段階によってちがいます。たとえば、夏に自然に開花する植物は、開花させたいタイミングで点灯時間を長くして、冬に開花する植物は、反対に点灯時間を短くするとよいでしょう。
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