フラッシングとは、シンプルに培養液(肥料を溶かした水)を普通の水に変えて与えることですが、こんなカンタンなテクニックで、収穫物の味、香り、食感がよくなります。すこしの手間をかけるだけで、風味が非常に高まるのです。
ハイドロポニック・グロワーであれば、誰もがこのテクニックに詳しいはずです。むしろ、知らない人のほうがめずらし い。
作物にたくさんの肥料が含まれていると、金属の苦味が強まってしまいます。収穫前にフラッシングをすると、余分な成分を洗い流し、自然な風味と香りを高めることができます。特に硬水の地域では、水質のせいで植物の風味が悪くなるため、フラッシングは欠かさず行われてきました。
フラッシングは、生長サイクルが早い植物の収穫向上にも効果があり、作物に残る肥料成分を減らして成熟を促進し、熟成スピードをアップできます。
開花期の最後の 1 週間は、植物が肥大を続ける最後の段階です。この期間になると植物は、ほとんど肥料を吸収しなくなり、むしろ過剰な肥料成分を培養液中に放出する傾向があります。この期間に培養液を普通の水に入れかえると、水分の吸収を高めて過剰な肥料成分の排出を促進できます。
ECメーターで、フラッシングの効果を確認してみましょう。リザーバータンクにただの水をセットしたあと、毎日水の EC 値を計り続けてみてください。植物が余分な肥料を排出するにつれ、タンクの EC 値が上昇することがわかります。
とくに硬水のエリアでは、植物が完全に完熟するのを待ってから、さらに 1 週間フラッシングをつづけると、より高い効果を得られます。この間、リザーバータンクの水またはCANNA FLUSH の希釈液を数回新しいものに入れかえて下さい。
また、なにかしらの原因で植物に肥料の過不足症状が出てしまった時も、フラッシングを行なうことをお勧めします。24 時間フラッシングをしてから新しい培養液に入れかえれば、植物の過不足状態をリセットできます。
フラッシングの水は、ただの水 (RO ウォーター以外の軟水 ) で十分ですが、フラッシング製品にこだわるグロワーもいます。
ステップ : 過不足症状がでたときの 24 時間フラッシング
- リザーバータンク内の培養液をすべて空にしてから、タンクやチューブなどシステムパーツを水い流し、できるかぎり洗浄する。
- ハイドロポニック・システム内に水を循環させて、不要な肥料成分を洗い流す。
- リザーバータンクに、水道水または CANNA FLUSH 希釈液を入れる。
- pH値を測定し、適正範囲値に調整する。
- 24 時間ポンプを稼働させ、タンクの水を循環させる。
- リザーバータンク内の水を空にする
- 新しい培養液と入れかえる。
ステップ : 収穫時期のフラッシング
- 収穫前の最後の 2 〜 3 週間は、EC 値をチェックしながら培養液の濃度を少しずつ低くしていく。
- 収穫の 1 週間前になったら、リザーバータンクから培養液をとり除く。
- 水道水、または CANNA FLUSH 希釈液を入れる。
- pH 値を測定し、適正範囲値に調整する
- 収穫するまで、いつものサイクルでポンプを動かしてタンクの水を循環させる。